製造業・工場におけるカーボンニュートラルの取り組みについてわかりやすく解説!

2023年9月1日

《本記事をダウンロードしてお読みいただけます》

カーボンニュートラルの取り組みについて

本資料でわかること

  1. カーボンニュートラルの基礎がわかる
  2. カーボンニュートラルにむけた取組例がわかる
  3. 再生可能エネルギー検討のポイントがわかる
会社・組織名 *
氏名 *
メールアドレス *
電話番号 *

個人情報保護方針同意する*

目次

はじめに

最近ではメディアなどで「カーボンニュートラル」という言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか? 2015年に採択されたパリ協定では、「世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること」といった目標が合意され、この目標達成のために120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」を目指しています。日本でも菅元総理が2020年に「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、その達成に向けた取り組みが政府や企業を通じて急速に広がっています。この記事では、カーボンニュートラルに関連する基礎知識をわかりやすく解説し、具体的な取り組み例を紹介していきます。

ヒナタオエナジーでは太陽光発電をPPAモデルで提供しております。
詳しいサービス内容はこちらの資料をダウンロードしてご確認ください。

カーボンニュートラル関連の基礎知識

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、地球温暖化の主要な原因である二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を、削減と吸収・除去などを組み合わせて差し引きゼロにすることを指します。製造業や工場では、エネルギーの使用や生産プロセスにおいて多くの温室効果ガスが排出されるため、カーボンニュートラルの実現に取り組むことが求められています。

脱炭素との違い

カーボンニュートラルと脱炭素は、どちらも地球温暖化対策の取り組みですが、以下の点で異なります。

脱炭素は、効率的なエネルギー利用や省エネルギー技術の導入、クリーンなエネルギー源への転換などによって温室効果ガスの排出量を削減することに重点を置いています。
カーボンニュートラルは、排出量の削減だけでなく、削減できない排出量を他の場所で行った削減や吸収・除去などの手段で相殺し、排出量の全量を削減と相殺でゼロにする状態を指します。

温室効果ガスの吸収・除去とは

温室効果ガスを減らす取り組みには、削減以外に吸収や除去といった手段があります。

吸収

植物の力を利用して大気中の二酸化炭素を吸収することです。植物は光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を放出します。植林活動や森林の保護などによって、二酸化炭素の吸収能力を増やし、大気中の温室効果ガスを削減することができます。

除去

既に大気中に存在する温室効果ガスを回収して取り除く技術です。これにはCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)などがあります。CCSは、発電所や工場から排出された二酸化炭素を回収し、地中に貯留・圧入する技術のことです。

CCUS

出典:エネルギーの基礎用語~CO2を集めて埋めて役立てる「CCUS」|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)

脱炭素経営とは

脱炭素経営は、企業や組織が環境への負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減を重視して経営活動を行う取り組みです。脱炭素経営には、以下のようなアプローチがあります。

1.グリーンエネルギーの導入
再生可能エネルギー(風力、太陽光、水力など)の利用を増やし、化石燃料に依存しないエネルギー源を活用します。
2.エネルギー効率の向上
エネルギー効率の高い機器やシステムの導入により、エネルギー使用量を削減します。省エネ照明設備や冷却システム、効率的な製造プロセスの採用などが含まれます。
3.輸送の最適化
製品やサービスの移動、貯蔵、在庫管理、配送などの効率化や交通手段の改善により、輸送に伴う二酸化炭素排出量を削減します。例えば、物流ネットワークの最適化、燃費効率の良い車両の導入、運送ルートの最適化などです。
4.新たなテクノロジーの活用
環境への影響を軽減できる新たな技術を開発・導入します。再生可能エネルギーの開発、二酸化炭素の捕捉と貯留技術(CCS)、省エネルギー製品の開発などが含まれます。
5.サプライチェーンの可視化と環境基準の設定
原材料調達、製造、物流、販売、廃棄など、経営活動の一連の流れにおけるエネルギー使用量、温室効果ガス排出量、廃棄物などを可視化し、サプライヤーの選定における環境基準を設定します。これにより、企業は自社のサプライチェーン全体での環境負荷を管理し、持続可能性の観点から適切な選択を行います。

脱炭素経営の利点は多岐にわたります。まず、企業のイメージやブランド価値を向上させることができます。環境問題に積極的に取り組む企業は、社会的な信頼性や顧客の支持を得やすくなります。また、エネルギー効率の改善や再生可能エネルギーの利用により、経費削減やリソースの効果的な利用につながる可能性があります。

<参考>脱炭素経営のメリット事例:脱炭素経営ハンドブック
出典:企業の脱炭素経営への取組状況 | 地球環境・国際環境協力 | 環境省 (env.go.jp)

スコープ(Scope)について

スコープ1(直接排出量)
企業や工場が直接的に生成・放出する温室効果ガスの排出量を指します。例えば、燃料の燃焼による二酸化炭素の排出や、製品製造過程におけるガスの放出などが含まれます。スコープ1の排出量削減は、自社内での効率的なエネルギー利用やプロセス改善によって実現されます。
スコープ2(間接排出量)
企業や工場が間接的に関与する電力消費に伴う温室効果ガスの排出量を指します。主に電力会社から供給される電力の生成過程におけるガスの排出が大きな比重を占めます。スコープ2の排出量削減は、再生可能エネルギーの利用やエネルギー効率の向上などによって実現されます。
スコープ3(間接排出量)
企業や工場の活動に関連するその他の間接的な温室効果ガスの排出量を指します。これには、原材料調達や製品の輸送、廃棄物の処理、顧客の製品使用によるガスの排出などが含まれます。スコープ3の排出量削減は、グリーンサプライチェーンマネジメントやリサイクル、廃棄物削減の取り組みなどによって実現されます。

これらのスコープは、企業や工場が環境に与える影響を包括的に評価するために用いられます。カーボンニュートラルを実現するためには、自社内だけでなくサプライチェーン全体の努力が必要とされます。スコープの適切な評価とそれに基づいた取り組みが、企業の環境負荷の削減につながります。

Scopeについて

出展:排出量算定について - グリーン・バリューチェーンプラットフォーム | 環境省 (env.go.jp)

脱炭素経営とスコープの理解は、企業や組織が持続可能なビジネスモデルの構築に向けて重要な要素です。環境への配慮と経済的な成果を両立させる取り組みが、持続可能な未来を築くために不可欠です。

製造業・工場におけるカーボンニュートラルの取り組み

製造業や工場では、エネルギー消費や排出量の大きさから、カーボンニュートラルへの取り組みが特に重要とされています。以下に、製造業や工場における取り組み事例を紹介します。

製造業・工場における取り組み事例

1. エネルギー管理の最適化
工場では、エネルギー使用状況のモニタリングやデータ分析を行い、エネルギーの無駄を減らすための改善策を実施しています。生産ラインの効率化やエネルギー効率の良い機械や断熱材の導入などにより、エネルギー使用量を削減しています。
<参考>加藤軽金属工業株式会社:サプライヤーを起点としたバリューチェーン全体を活用した排出削減の取組
出展:企業の脱炭素経営への取組状況 | 地球環境・国際環境協力 | 環境省 (env.go.jp)
2. 再生可能エネルギーの導入
太陽光発電システムや風力タービンの設置など、自社で再生可能エネルギーを生産する方法や、グリーン電力の購入などの取り組みがあります。
<参考>株式会社バイオフードリサイクル:食品廃棄物から再生可能エネルギーを創出、バイオフードリサイクルの取組
出展:自治体・事業者等取組み一覧 | 「再エネ スタート」はじめてみませんか 再エネ活用 (env.go.jp)
3. 資源の効果的な利用
製品の設計や製造プロセスにおいて、材料やリソースの使用量を最小限に抑えます。廃棄物や副産物の再利用やリサイクル、製品の寿命を延ばす設計などが含まれます。
<参考>コニカミノルタ株式会社:アップグレードリサイクルの取組
出展:サステナビリティ | コニカミノルタ (konicaminolta.jp)
4. 燃料の切り替え
燃料の切り替えにより、二酸化炭素の排出を削減します。例えば、電気フォークリフトや電気自動車の導入、バイオマスボイラーや地熱エネルギーの利用などです。
<参考>東京都:燃料電池フォークリフトの実装に向けたトライアル
出展:報道発表/令和4年(2022年)|東京都 (tokyo.lg.jp)
5. カーボンオフセット
削減しきれない排出量をカーボンオフセットによって相殺する取り組みも行われます。カーボンオフセットとは、他の地域や部門で排出削減や吸収などを行い、その削減分で自社の排出量を相殺する仕組みです。
<参考>季の庭ヤエール:ソフトクリーム生産・販売時のCO2排出をカーボンオフセット
出展:イベント掲示板 | J-クレジット制度 (japancredit.go.jp)
6. サプライチェーンの可視化と環境基準の設定
サプライチェーン全体のエネルギー使用量、温室効果ガス排出量、廃棄物などのデータを定期的に収集・分析し、環境基準を設定します。この基準をサプライヤーや協力会社と共有することで、カーボンニュートラルを促進します。
<参考>株式会社NTC:バリューチェーン全体の排出削減に向けたパートナー企業との新たな連携
出展:企業の脱炭素経営への取組状況 | 地球環境・国際環境協力 | 環境省 (env.go.jp)
7. イノベーションと研究開発
環境にやさしい技術や持続可能な製造プロセスの開発に取り組みます。投資を行い、効率的で環境に配慮した技術を採用します。
<参考>株式会社艶金:未利用資源を利用した衣料品のアップサイクル
出展:取組事例 - グリーン・バリューチェーンプラットフォーム | 環境省 (env.go.jp)

以上が製造業や工場における具体的な取り組みの紹介です。国や地域の政策や規制にも注目し、自社の状況や目標に合わせた計画を立てることが重要です。製造業や工場がカーボンニュートラルに向けて取り組むことは、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩です。

再生可能エネルギーの選択と実装におけるポイント

再生可能エネルギーの種類

再生可能エネルギーの導入は、脱炭素経営の実践において有効な手段です。以下に、一般的な再生可能エネルギーの種類を紹介します。

太陽光エネルギー
太陽光発電は、太陽光パネルを使用して太陽光を直接電力に変換することで、クリーンな電力を供給します。太陽光は豊富に存在し、持続可能なエネルギー源として広く利用されています。
太陽光発電システムの導入方法には買取の他に、初期投資を抑えたリースやPPAモデルなどいくつかの形態があります。それぞれのメリット・デメリットをよく理解して選択することが重要です。

「太陽光発電のPPAモデルとは?初期費用無料のワケやメリット・デメリットを徹底解説!」

風力エネルギー
風力発電は、風力を利用して風車を回し、発電機を動かして電力を生成する方法です。風力発電所の設置には風の強い地域や海上が適しています。
水力エネルギー
水力発電は、水の力を利用して発電を行う方法です。ダムや水車を使用して、水の流れや落差を利用してタービンを回し、発電機を動かします。
バイオマスエネルギー
バイオマスエネルギーは、有機性物質(植物由来や動物由来の廃棄物など)を燃やしたり、発酵させたりすることで得られるエネルギーを指します。バイオマス発電は、有機性物質を燃焼させることで蒸気を発生させ、蒸気をタービンに送り、発電機を回して電力を生成します。バイオマス発電は二酸化炭素を放出しますが、再生可能な植物が成長する際に取り込んだ二酸化炭素量と相殺され排出量はゼロとされています。一部の地域では廃棄物の有効利用としても注目されています。

カーボンニュートラルと太陽光発電

カーボンニュートラルを実現するためには、再生可能エネルギーの活用は欠かせません。中でも、太陽光発電システムは自社の施設の屋根や遊休地を活用して導入できるため、比較的導入しやすい形態と言えます。太陽光発電システムの導入には初期費用がかかると言われることもありますが、太陽光PPA(Power Purchase Agreement)モデルを活用することで、初期費用を抑えて太陽光発電システムを導入することができます。

「太陽光発電のPPAモデルとは?初期費用無料のワケやメリット・デメリットを徹底解説!」

再生可能エネルギーの選び方

再生可能エネルギーの選択は、各企業や工場のニーズや条件に応じて行われるべきです。以下に、再生可能エネルギーを選ぶ際の考慮したいポイントを紹介します。

地域特性:
 各地域の特性や環境条件によって、再生可能エネルギーの種類の適性が異なります。太陽光発電は日照条件が重要な要素となりますし、風力発電は風の強さや風の吹く頻度によって適性が変わります。そのため、地域の特性に合わせて適切な再生可能エネルギーを選ぶ必要があります。
経済的側面:
 再生可能エネルギーの導入により支出や収入が発生します。初期投資やランニングコスト、FIT(買取制度)など、経済的な側面も考慮しながら選択する必要があります。
リスク管理:
 再生可能エネルギーの導入には、発電システムの性能の低下や太陽光発電事業者の品質などのリスクが存在します。長く使うものですから信頼性の高いシステムや事業者の選定、適切な保守管理など、選択の際にはリスク管理も重要な視点となります。

まとめ

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を削減と吸収・除去等を組み合わせて差し引きゼロにすることです。その実現のためには再生可能エネルギーの活用が不可欠です。さまざまな再生可能エネルギーの種類がありますが、特に太陽光発電は導入しやすいという特長があります。

一つでも多くの企業や工場が再生可能エネルギーの導入をはじめとした脱炭素経営に取り組むことで、カーボンニュートラルと持続可能なエネルギー利用の実現につながります。

《本記事をダウンロードしてお読みいただけます》

カーボンニュートラルの取り組みについて

本資料でわかること

  1. カーボンニュートラルの基礎がわかる
  2. カーボンニュートラルにむけた取組例がわかる
  3. 再生可能エネルギー検討のポイントがわかる
会社・組織名 *
氏名 *
メールアドレス *
電話番号 *

個人情報保護方針同意する*

ヒナタオエナジーのご紹介

私たちヒナタオエナジーは、法人向けの自家消費PPAサービスを通じて二酸化炭素を削減し持続可能なエネルギー利用の実現に貢献しています。

安心の東京ガスグループ

長年エネルギー事業に携わってきた東京ガスグループの一員として、施工からメンテナンスまで高品質なサービスを提供しています。初期費用やメンテナンス費用は毎月のサービス料金に含まれており、突発的な支出に備える必要はありません。

契約期間は20年間を基本にお客さまのニーズに合わせて設定させていただいております。また、その期間中は、東京ガスグループの確かな施工技術と信頼性の高いメンテナンス対応をヒナタオエナジーにお任せいただけます。

さまざまな屋根に対応します

ヒナタオエナジーが提供する太陽光パネルは軽くて薄いため、従来のパネルでは導入が難しいとされていた屋根にも取り付けることができる可能性があります。また、屋根に穴をあける必要もないため建物への影響も限定的です。

さらに、屋根面積が比較的小規模でもサービスの提供が可能です。パネルの設置が可能な面積が150㎡以上であれば、是非ご相談ください。

資料請求・お見積もりは無料ですのでまずはお気軽にお問い合わせください。

資料ダウンロードはこちら
お見積もり・お問い合わせはこちら

私たちは、皆さまのご要望に合わせた最適な太陽光発電の導入をサポートいたします。

監修者

【監修者】

株式会社ヒナタオエナジー

代表取締役社長
来村 俊郎

東京ガスに入社後、Harbard Uni Weatherhead Center 客員研究員として「脱炭素に向けたスマートシティネットワーク構築」をテーマに研究、論文を執筆。その後、東京ガスリブソリューションズ㈱ 常務取締役に就任。新規事業会社2社のコーポレート部門を支援。このとき支援を行った事業会社のひとつである㈱ヒナタオエナジーの代表取締役に就任。

<セミナー登壇実績>
マンション総合EXPO「太陽光をあきらめない!どこでもあたりまえに太陽光発電ができる社会に」
東京商工会議所《資源・エネルギー部会》「中小企業でも導入・活用できる太陽光発電のすすめ」